推定1800年代後期〜1900年頃
ニエロのバングルです。
製造国不明。

ニエロ（niello/黒金）は
古代エジプト発祥とされる
主に銀、銅、硫黄、鉛などから生成される黒色の合金で
中世の時代に装飾の素材としてヨーロッパ中に広まり
「黒いエナメル」として重用されました。

ベースは低純度のシルバーと思われます。

表面にメアンドロスと星による古代ギリシア装飾を彫金し
窪みにペースト状のニエロを流し込み焼成、
凹凸のない滑らかな模様を描き出しています。

異国的な情緒を感じさせる線模様が
漆黒と銀のコントラストによって一段と際立ち、
落ち着いた佇まいの中にも
凛とした気高さ、抑制された美しさを
見ることができます。

小さな造形の中に注ぎ込まれた
精緻な技巧を是非お手元でお楽しみ下さい。


内側にメーカー「J.F」と
何らかの識別数字と思われる「1」の文字が
刻印されています。

また、留め具部分にも一箇所、
刻印と思われる跡が見られますが
掠れており、判読不能です。

経年による傷や擦れ、金属変色等が多く見られます。



サイズ：内周約16cm　幅約0.8cm



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