アンティーク　イコン　生神女庇護祭

古いロシアイコンです。

推定1800年代、板にテンペラ。
布張りの木枠で額装。

生神女庇護祭
（Покров Пресвятой Богородицы）は
ロシアで広く祝われる正教会の祭の一つです。

903年　敵軍に包囲された
東ローマ帝国の首都コンスタンティノポリス、
ヴラヘルネの聖堂において生神女マリヤ（聖母マリア）が現れ
全世界が救われるよう跪いて涙を流したのち
信徒達をオモフォル（肩衣）で覆い、
敵軍から庇護されたとの奇蹟の伝承に由来します。

画面上には主ハリストス（キリスト）、
中央には雲の上に立ち
肩衣を両手にかかげたマリヤの姿、
両側には共に現れたとされる
諸天使、使徒、諸預言者が描かれています。

マリヤの下には祈祷書を持つ聖歌者ロマン、
右下に描かれているのが
顕現を目撃した佯狂者・聖アンドレイと
その弟子エピファニイです。

聖歌者ロマンは6世紀に永眠しており、
生神女庇護祭に纏わる伝承とは時代が異なりますが
記憶日が同日であることから
イコンの中に描かれることの多い人物です。

正統的な構図と
神聖な空間としての黄金背景、
テンペラ技法による細密な描線と鮮明な発色で描かれた
美しく慈愛に満ちた神の国は
見る人を深い祈りの世界に導いてゆきます。

裏面に文字が書かれています。

全体に経年による傷や擦れ、
画面に亀裂や剥離が多く見られます。


サイズ：
板絵　縦約69�僉＿Ｌ�55��
額　 縦約82cm　横約69.5cm



　　　　　　
型番 ad15001
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