古いメダイヨンです。
推定1800年代中期〜後期 フランス。
黒く塗装された木製に湾曲したドームガラス、
内部には硬質の石膏或いは漆喰による
彫刻が収められています。
このような円形及び楕円形の壁面装飾を
メダイヨン(medallion)と呼びます。
カトリックに於ける
ルリケール(Reliquaire/聖遺物)の一種として
各家庭のコアン・ド・デュ(Coin de Dieu/聖品を祀る一角)を彩り、
小型のタイプなどは旅の携行にも用いられました。
本品は新約聖書に記された物語の一つである
受胎告知の場面を題材にしたものと推測されます。
神の思召しにより、やがて救世主となる
イエス・キリストの身籠りを告げられたマリアは
胸の前で両手を重ね、崇敬の念とともに
謹んでそれを受け入れます。
瞼を伏せ、穏やかな微笑みを浮かべた姿は
清浄無垢で慈愛に満ち、
見る人を深い静謐へと導いてゆくようです。
彫像を覆う古ガラスのゆらめきや
木枠の虫食い跡さえも独特の詩情を漂わせており、
高潔さと温もりを併せ持つ造形と
時を重ねたがゆえの趣が
美しく安らぎに満ちた祈りの空間を生み出します。
作家のサイン等は入っておりません。
経年による傷や擦れ、汚れ、
木材の劣化などが多く見受けられます。
サイズ:縦約22cm 横約18.5cm 厚み約6cm
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