古いジュエリーボックスです。
推定1900年代初頭頃 フランス
メタルに金張り。

優美な曲線を描くフォルムと
植物装飾のレリーフが実にエレガント。
蓋の中央にはセルロイド素材に描かれていると思われる
ミニアチュール（細密画)が嵌め込まれ、
上からガラスが被せられています。

手彩色による貴婦人の肖像は
当時は鮮やかであった色彩が時を経て色褪せ
明確な輪郭線を失ったことで、
どこか儚くも妖艶な独特のムードを漂わせています。

周囲を取り囲むペーストガラスの鈍い輝きと
目にも鮮やかなグリーンのエナメルが
淡く繊細な人物描写をより一層際立たせ、
小さな中に凝縮された技巧の数々で鑑賞者を楽しませます。

内部は緑褐色のベルベット張り。
蓋に少々の浮きがありますがパチンと閉まり、
実用上の問題は無いかと思われます。

華麗な装飾に加え、
年代特有の古色を帯びた雰囲気も
重厚な風格を添えており
大切なジュエリーを美しく収めることが出来ます。

刻印等は入っておりません。


蓋のエナメルに補修跡があります。
その他経年による傷やメタルの変色、ベルベットの摩耗などが
多く見受けられます。


サイズ：縦13cm　横約8.8cm　高さ約3.5cm

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