古いメダイヨンです。
推定1800年代中期〜後期 フランス。

この時代に活躍した聖像作家
Fontanaの作品です。

黒く塗装された木製に湾曲したドームガラス、
内部には石膏彫刻が収められています。

このような円形或いは楕円形の壁面装飾は
フランス語で“大型メダル”を指すメダイヨン(medallion)と呼ばれ
小型のタイプなどは
裕福な貴族の御曹司が遊学のために欧州へ赴く
グランド・ツアーの記念品としても人気だったと言います。

『幼児キリストを礼拝する聖母』は
ルネサンス期のイタリア絵画で好まれたモチーフであり、
コレッジョやフィリッピーノ・リッピなど
数多くの芸術家が題材として取り入れています。

幼いイエスの前にひざまずき
穏やかな表情で手を合わせる聖母マリア。
赤子は嬉しそうに無垢な笑い声をあげており、
厳粛ななかにも親子の微笑ましい愛情を見ることが出来ます。

慈愛に満ちた精緻な造形と
時を重ねることで生まれた奥深い味わいが
独特の詩情を漂わせ、空間を美しく彩る一品です。

彫刻の右上端に作家のサインが入っています。


フレームに2箇所、接着跡がありますが
補修されたものではなく、おそらく製造時に木材を貼り合わせた部分が
経年で開いてきたものではないかと推測されます。
裏面に貼られている紙に破れや汚れがあります。
ガラス表面に傷や擦れがあります。
その他、全体的に年代特有の経年劣化が見受けられます。



サイズ：縦約33cm　横約27cm　厚み約9cm



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