川瀬 巴水 木版画 『夜之池畔(不忍池)』

近代風景版画の第一人者、
川瀬 巴水(1883-1957)による
木版画 『夜之池畔(不忍池)』です。

川瀬巴水は、
衰退の一途を辿っていた日本の浮世絵版画を復興すべく、
新しい浮世絵版画である「新版画」を確立した人物として知られています。
「新版画」とは、従来の浮世絵版画と同様に、
絵師、彫師、摺師による分業により制作された木版画のことを指し、
浮世絵の近代化、復興を目指しました。

当時、自分で絵を描き、自分で彫り摺る
「創作版画」が盛んに行われており、
時代と逆行するような形で、
巴水は、数多くの版画作品を残しています。


こちらは、昭和7(1932)年4月作、
『夜之池畔(不忍池)』です。

人気の絶えた夜の上野公園。
全体を春の夜のおぼろげな空気が包み込み、
不忍池越しに広がる上野広小路あたりの風景を描いております。
街の喧噪とは対照的に
静かな水面に揺らぐネオンの灯りが美しい作品です。

中央に見える大きな建物は、松坂屋上野店。
昭和4(1929)年、関東大震災の復興期に
新時代のランドマークとして再建されました。

震災以前から変わらぬ風景と
復興期の現在を象徴する建物、
二つの時代の風景を併存させ、馴染ませ、
巴水独特のモダンな情緒溢れる作品に仕上げています。


額に擦り傷等がございます。


サイズ:額 縦 約41cm 横 約52cm 厚さ 約3cm
    画寸 縦 約24cm 横 約36cm



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型番 ad17030
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