古いシェルカメオのブローチです。
推定1800年代後期 イタリア。

素材を示す刻印はありませんが、
金属テスターにて14金との測定結果が出ております。

モチーフはギリシャ神話に於いて
豊穣と葡萄酒、酩酊の神
ディオニュソス(ローマ神話ではバッカス)の巫女である
バッカンテ(Bacchante)。

バッカンテはディオニュソスの妻である
アリアドネ(Ariadne)と同一視されることもあり、
この時代のカメオのモチーフとして大変好まれました。

裏側が透ける程に薄く、
透明感のあるオレンジブラウンを背景に
貝の層を巧みに生かしながら
美しい横姿が精緻に彫り上げられています。

絡みつく葡萄で彩られた髪の流れや
穏やかな表情は優美な女性らしさに満ちており、
比較的プレーンな縄編み装飾のフレームが
全体にさりげない気品を添えています。

ピンはC型クラスプ、
強度には特に問題はないと思われます。

繊細な彫刻は華やかでありながらも
どこか淑やかで奥ゆかしい印象、
何気ない装いにエレガントな気品をもたらします。


カメオ裏面にイニシャルと思われる文字が彫られています。
経年による傷や擦れ、金属変色等が見られます。



サイズ：縦約4.2cm　横約3.4cm



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